【搭乗記&中国トランジット】厦門(アモイ)航空 台北-厦門-関空 最新中国入国チャレンジ〈前編〉

搭乗記

2024年1月 厦門航空を利用して台湾(台北/松山)から中国厦門経由で大阪関西空港まで帰国しました。厦門では乗り継ぎ時間の都合上一泊することになったので最新の中国ビザなしトランジット入国や厦門航空の無料トランジットホテルサービスなどをレビューしていきます。

はじめに

厦門航空について

中国のフルサービスキャリアの一つ

私自身も今回の航空券を検索するまで厦門航空自体の存在を知りませんでした。
厦門航空は中国福建省厦門(アモイ)を拠点とする世界三大アライアンス(航空会社連合)の一つであるスカイチームに所属するれっきとしたフルサービスキャリアです。

フルサービスキャリアというのは、日本でいう日本航空(JAL)や全日空(ANA)のような、複数の座席クラスを提供していたり、機内エンターテイメントや機内食、ドリンク、手荷物預け入れなどを標準サービスとして提供している会社のことです。
フルサービスキャリア(FSC)に対して、サービスを簡略化する代わりに格安の運賃を提供するLCC(ローコストキャリア)は比較的よく耳にしますね。

日本路線は今回利用する厦門-関西便をはじめ厦門、杭州など中国4都市から関西、成田便を運航しています。加えて2024年9月から杭州-名古屋(中部)便を新規開設するようです。

LCCより格安

大阪-台北間はFSCでは日本航空、チャイナエアライン、エバー航空など、LCCでもPeachやタイガーエアなど11社も競合している人気路線です。何故そんな区間でわざわざ中国経由を選択したのかというと単純に厦門航空の航空券が安かったからです。

中国系の航空会社は比較的運賃が安く設定されていることも多いとはいえ、今回は航空券が高騰していてLCCでも往復4万円越えの運賃しかない中で破格の往復31,500円で購入しました。往路はLCCのタイ・ベトジェットエアの直行便、復路は厦門航空の経由便という航空券なので単純計算してよいかわかりませんが、片道15,750円で中国も経由できてFSCで帰国できるのはかなり魅力的です。

厦門航空無料トランジットホテルサービス

ホテルが無料?!

なんと厦門航空の国際線区間を含む乗り継ぎで、6-24時間の乗り継ぎ時間がある場合はエコノミークラスでも無料でホテルを提供してくれます。日本発着路線はアジア国際路線なので乗り継ぎ便が中国国内線でも香港、マカオ、台湾線でも長距離国際線でも無料ホテルの対象になりますね。ただしマイルで交換した特典航空券は対象外です。

厦門航空公式サイト

今回は台北-厦門-関空の区間で厦門到着が21時半、出発は翌日の14時なので日付をまたぐ約16時間の乗り継ぎになるので無料トランジットホテルの恩恵を受けられます。今回はTrip.comで超格安発券しましたが予約クラスもSクラスだったので対象外にはなりません。Eクラスについて検索しましたが情報がなかったので恐らく特典航空券以外はホテル無料の対象になるものだと思われます。

予約は必要?

ホテルの予約は必要ありません。航空券購入時でも特別案内はありませんが、無料トランジットホテル対象者は到着地のトランジットサービスカウンターに行けばその場で手配してくれます。座席クラスや路線によってホテルのランクも違うようです。

ここで注意点ですが、エコノミークラス利用の場合は2名1室利用となりツインルームに割り当てされます。2人で旅行する際は問題ないのですが、1人の場合全く見ず知らずの他人と相部屋になってしまうことがあるようです。追加料金を払えば1人部屋にも変更してもらえるようで、私は今回1名でエコノミークラス利用なので、もし赤の他人と相部屋になってしまった場合は140元(約2900円)払うつもりです。

厦門航空公式サイト

中国トランジットビザなし入国

ビザなしで中国入国?

コロナ流行後の2020年3月から観光目的などのビザ免除措置が停止されており、2024年現在でも日本人が中国に入国するためには原則ビザ取得が必要です。(2024年11月30日より短期滞在ビザ免除措置再開。観光や乗継等30日までビザ免除に)
しかし中国を経由する第三国への乗り継ぎのための一時的な滞在であればビザなしで入国できます。第三国というのは出発国とは別の国という意味で、例えば日本-中国-日本の単純往復や乗り継ぎでは中国に入国できません。台湾や香港、マカオも第三国として認められます。
今回は台湾-中国-日本という乗り継ぎになるのでビザ免除となり入国できます。

都市によって24/72/144時間と滞在できる期間が異なったり、滞在可能エリアが決まっていたりはしますがこのシステムを上手く利用すればビザなしで観光も可能です。
例えば今回トランジットする厦門空港なら滞在可能時間は最大144時間、滞在可能エリアは厦門市です。

ビザ免除の申請方法

ビザ免除の手続きもホテルと同様に到着空港で直接することになります。カウンターに通常の入国カードとトランジット入国用のカードがあるのでそちらに記入して、第三国に出国する航空券の控えと提出すれば許可がおります。航空券の控えは念のため印刷しておくことをオススメします。

厦門航空 MF882 台北/松山-厦門

フライト情報

【航空会社】厦門航空 Xiamen Airlines
【アライアンス】スカイチーム
【便名】MF882
【区間】台北/松山(TSA)-厦門(XMN)
【時刻】TSA 19:45-XMN 21:30
【所要時間】1時間45分
【クラス】エコノミー
【機材】B737-800(B-5533)
【発券】Trip.com

台北市内から松山空港へ

帰国1日目、台北を満喫し帰国するべく松山空港へ向かいます。松山というと愛媛の松山(まつやま)を思い浮かべますが、台北の松山はソンシャン(Song Shan)と発音します。愛媛にも松山空港があるのがより紛らわしくさせてますね。

私自身もこの松山空港を利用するのは初めてで楽しみにしていました。というのも台北には国際線が就航する2つの空港がありますが、国際線のほとんどが台北中心部から少し離れた場所にある台北桃園国際空港に就航しています。
台湾国内線と東京羽田、ソウル金浦、中国の一部都市からのみ松山空港に就航しています。私は台北へは何度か旅行しましたが関西在住ですので今までこの松山空港を利用する機会はありませんでした。

MRT文湖線松山機場駅で下車しました。空港直結の駅なので本当に便利です。台北駅から乗り換え1回、所要時間は約20分で運賃はたった25元(約120円)、都心からのアクセス抜群でいつも桃園空港を使っている身からすると天国ですね。桃園空港は台北駅から空港MRTで約40分で、運賃も150元(約700円)と高いです。

チェックイン

出発の約2時間前には到着しましたが、チェックインカウンターはすでに列が出来ていました。エコノミークラス利用でスカイチームのステータスもないので大人しく並びます。優先レーンの待ち時間はほとんどないようでした。

同じく中国乗り継ぎなのか欧米人の方も多くみられました。欧州便でも中国系の航空会社なら10万円前後で売られていることもありますね。

15分ほど並んでチェックイン完了しました。乗り換ぎであることを伝えるとパスポート番号か何かをスタッフの方が控えていたので入国関連か、トランジットホテル関連用の名簿を作って中国本国に共有していたのだと思います。それ以外は特に何も言われることなくチェックインできました。
ここまでは中国乗り継ぎ入国もトランジットホテルサービスも初めてのチャレンジで本当に対象者なのか確信が持てずに緊張していたので手続きがスムーズに終わり少しほっとしました。

乗り継ぎが翌日だったからなのか台北-厦門間の航空券だけ発券されました。厦門-関西間は明日厦門でチェックインすることになります。預け入れ荷物も一度厦門で受け取ることになりました。

松山空港

国際線の便数も少なく保安検査、出国審査もほとんど時間はかかりませんでした。桃園空港は入出国問わずいつもかなり混雑しているイメージなのでストレスフリーで快適です。

空港内もコンパクトながらお土産店や飲食店も数店舗しっかりありました。

制限エリア内も空いていますが、免税店やお土産店が複数店舗営業していました。

MF882 エコノミークラス

機材は厦門航空主力機のB737-800(B-5533)です。通路を挟んで3×3の座席配置です。事前座席指定やオンラインチェックインはできなかったので真ん中の座席にアサインされました。機体前方にはビジネスクラスの座席があり、その真後ろのエコノミークラスとしてはかなり前列の座席です。

もちろん両隣にも人が来ました。搭乗率はほぼ満席といった具合です。中華系の人がほとんどでしたが欧米系のトランジットと思われるお客さんもいました。日本人は少なくとも私の周りには見当たらなかったです。

座席に個人用モニターはありません。前方と頭上に共用のモニターがあります。2010年製造の少し古めの機体で残念ながらUSBやコンセントはなく機内Wi-Fiサービスもありません。
座席間隔は膝の前に少し余裕がある程度でそこまで広くはないですが短距離路線なので全く問題なかったです。

機内食

2時間に満たない短距離線ですが、中国系エアラインでよくあるボックスに入った軽食とメインディッシュでホットミールが提供されました。ホットミールの選択肢はなく鶏肉とキャベツ、キクラゲなどの野菜の中華系のあんかけご飯でした。

軽食ボックスにはザーサイ、マフィン、スナック菓子とヤクルトのような乳酸菌飲料が入っていました。このヤクルトがかなり自分好みで美味しかったです。お水のペットボトルは搭乗時に座席前のポケットに入ってあったもので後ほど別でドリンクサービスもありました。

恐る恐る頂いた厦門航空の機内食ですがかなりレベルが高く美味しかったので非常におすすめです。

中国入国チャレンジ

コロナ抜き打ち検査?

無事に厦門高崎空港に到着しました。入国審査を控えドキドキしながら降機しましたが、イミグレーションにたどり着く以前に降りてすぐのところでコロナの抜き打ちPCR検査の対象に選ばれてしまいました。全身防護服の検査員に連れられて別室行きです。中国系の方も何人か止められていたので中国人ならスルー、外国人だから必ず検査対象というわけではなさそうです。2024年にもなり機内もマスク着用義務はなかったので驚きました。

鼻に綿棒のような棒を入れられて、数分待ったのちパスポート番号と電話番号を教えて解放されました。その場で陰性陽性が判明するわけではなく、陽性だった場合後で電話がかかってくるのかもしれません。その日のうちは電話に怯えていましたが、結論から言うと出国するまで電話はかかって来なかったので恐らく陰性だったのでしょうね。陽性になった場合の対応は少し調べましたが不明です。

イミグレーション

気を取り直して本日第二関門の入国チャレンジです。まずイミグレーションのところにある青い臨時入境外国人入境カードに記入する必要があります。航空会社によっては機内などで普通の入国カードを配ってくれることもありますが、トランジット入国の際は通常の入国カードではなくこのトランジット用臨時、Temporaryと書いてある専用の入国カードが必要になります。トランジット入国を認めている空港には必ず置いてあるので特に事前準備はいりません。

イミグレーションは全く並ぶことなく空いていました。入国審査官もトランジット入国の手続きにはなれっこのようでTemporaryの青い入国カードと翌日のフライトのeチケットを見せただけで、その他特に質問されることもなかったです。
パスポートに貼る入国許可のシールを作るのに少し待たされましたが拍子抜けするくらい手続きはスムーズでした。イミグレーションの職員でも英語があまり通じない雰囲気はありましたがそもそも会話が少なかったので問題なかったです。

臨時入境許可シールです!今回は24時間以内の乗り継ぎなので24時間のトランジット入国ビザ免除という扱いですが、厦門では最大144時間も乗り継ぎビザで滞在することができます。

トランジットホテル

サービスカウンターへ

第三関門の無料トランジットホテルサービスの申請です。入国できてもここでホテルが取れないと悲惨な滞在になってしまうので気合いを入れ直します。
厦門航空は厦門高崎空港第3ターミナルを発着しますが、第3ターミナル1階7番出口付近に厦門航空のトランジットサービスカウンターがあります。

カウンターも空いておりパスポート等を見せるだけで手続きもスムーズに完了しました。もしかしたら台北から情報が来ていたのかもしれません。カウンターで発行した紙をホテルで見せるだけでチェックインができるようです。この紙よく読むとなんと明日の朝食も無料でついているようです。チェックアウトも14時とかなり太っ腹ですね。

送迎バスサービスも

21時20分頃に降機してここまで40分程度要して22時前です。コロナの抜き打ち検査もされたことを考えるとかなりスムーズにホテルまで確保できたと思います。

夜も遅いので早速ホテルに向かいたいところですが、ここでも太っ腹なことにホテルまでのバスも無料で手配してくれるようです。ただし空港からホテルまでの片道だけで翌日ホテルから空港へ戻るのは自腹です。
厦門航空カウンターからすぐの9番ゲートを出て向かいにあるバスターミナルのカウンターでおじさんにさっき貰ったホテルの紙を見せるとすぐにバスに案内してくれました。

同じホテルに向かう方と相乗りなので少し待ちましたが無料なのでいくらでも待てそうです。

厦門可居酒店 チェックイン

ホテル到着です。最後にして最大の関門が待っています。エコノミークラス利用なのでここで誰か見知らぬ人とになるになる可能性があります。他の方のブログ等を拝見すると必ず相部屋になるわけではなさそうなので運ゲーです。
流石に赤の他人と相部屋は勇気が足りなかったので相部屋になった場合は140元(約2900円)払って1人部屋にアップグレードします。それでも朝食付きシングルルームで3000円以下とかなり格安で宿泊できますね。

お部屋へ

なんとアサインされた部屋はシングルルームです!ベッドもふかふかでここで寝られると思うと中国入国などで少し緊張していた今までの旅の疲れも取れそうです。
並んでいた他の方もシングルにアサインされていたようなので自分だけラッキーというわけでもないのかな。このホテルはかなり部屋数があるみたいだったのでホテルによっては相部屋の可能性もありそうですね。

テレビや冷蔵庫、お水、ポット、金庫と一般的なビジネスホテルの設備です。

トイレ、シャワーは同じ部屋ですがシャワールームは扉でしっかり分けられていて広々としています。清掃もしっかり行き届いていて清潔感もあります。
パジャマは流石にありませんがバスタオルや歯ブラシなどのアメニティも用意されていました。シャワーの水圧も全く問題なかったです。

まとめ

今回は初めて厦門航空に乗りましたが、CAさんが愛想よく接して下さり、短距離線であってもしっかり機内サービスがあり次も利用したいと思いました。さらに航空券は格安なのにトランジットするだけでここまでのサービスを追加で無料で受けられるコスパの良さに感動です。ホテルも無料とは思えないほど贅沢な空間でした。
中国トランジット入国もそこまで難しくないことがわかり、航空券もかなり安いことが多いので是非他の中国系のエアラインでも旅行してみたくなりました。

記事も長くなってきたので厦門滞在記と関空への帰国便搭乗記は〈後編〉に続きます。

タイトルとURLをコピーしました