【SFC修業】初心者でも挑戦できる 2024年最新SFC修行 解説編

SFC修行

航空会社にも飲食店や量販店などのポイントカードのような会員サービスがあります。搭乗すると距離などに応じてマイルが貯まっていきます。そして一般的なお店でも繰り返し利用したり一定の金額を使うとポイントが貯まりやすくなったり、割引率が上がったりするように、航空会社でも頻繫に利用してくれる会員向けに上級ステイタスを提供していて特典として様々なサービスを受けることができるんです。


私は今まで旅行でたくさん飛行機に乗る機会はあったもののマイルやステイタスなどをあまり意識していなかった初心者トラベラーだったのですが、先駆者の上級トラベラーの皆さんのブログなどを見ているうちに興味が湧いてきたので、2024年ついにSFC修行を決行しました。

SFC修行は数ある航空券会社の中でもANA(全日空)の上級会員ステイタスを獲得するための修行です。「修行」という言葉に聞きなれない印象があるかもしれませんが、上級ステイタスを獲得するためには1年の間に飛行機にそれなりの回数乗ることになります。目的がどこかに行くことではなく飛行機に乗ること自体が修行の目的になるので同じ区間のふらいとを何度も搭乗するうちに飽きがきてしまったり、一日中ひたすら飛行機に乗り続けたりするなど少々体力勝負な側面もあるので、その過酷さを比喩して修行と呼ばれているのです。

ですがそこまで身構えることはありません。楽しく旅行しながらついでに修行もというようなやり方もちろん可能です。

私と同じように旅行は好きだけど航空会社のサービスなどには疎いという方も多くいらっしゃるのではないかと思いますので、初心者でもわかりやすいように実体験も交えて解説していきます。

SFC修行とは

SFCとは

SFC修行のSFCとはSuper Flyers Card(スーパーフライヤーズカード)の略で、ANAが発行しているクレジットカードの一種です。そして修行して目指すものがまさにこのスーパーフライヤーズカードなんです。

このスーパーフライヤーズカードを保有していれば半永久的にANAの上級会員(プレミアムメンバー)扱いのサービスを受けられます。
半永久的というのも、普通2024年に沢山飛行機に乗る機会があり2025年度に晴れて上級会員のステイタスを獲得しても2025年にあまり飛行機に乗らないと2026年度には失効してしまいます。


しかし、SFCを一度保有すれば解約しない限りカードの年会費だけでANAの上級ステイタスを維持できます。毎年上級会員になれるほど飛行機に乗り続けるのは金銭的にも体力的にもかなり大変でなのでたくさんの人がSFCを目指して修行するというわけです。

SFC会員の特典

主なSFC会員特典
  • ANAラウンジの利用(国内線/国際線)
  • 優先チェックインカウンター(国内線/国際線)
  • 座席クラスアップグレード(国内線/国際線)
  • プレミアムメンバー専用サービスデスク
  • 国内線先行予約
  • 国内線座席指定の優先
  • 予約時空席待ちの優先
  • 国際線特典航空券の優先
  • 手荷物受け取りの優先(国内線/国際線)
  • 預入手荷物許容量の優待(国内線/国際線)
  • 専門保安検査場の利用(国内線/国際線)
  • 優先搭乗(国内線/国際線)
  • 空港での空席待ちの優先
  • フライトボーナスマイル
  • アップグレードポイント
  • マイルからANA SKY コインへ特別倍率で交換

主な会員特典をリストアップしましたがここで全ては数えられないくらいのサービスが受けられます。
ANA スーパーフライヤーズ会員の特典

スターアライアンスゴールド

さらにSFC会員になるとANAが加盟する航空会社連合スターアライアンスのゴールド会員のステータスも自動的に付与されます。ANAを利用しなくても下記のスターアライアンス加盟航空会社の便に搭乗する際は上級会員として扱ってくれます。

スターアライアンス公式
スターアライアンスゴールドステータス特典
  • 空港での優先チェックイン
  • 手荷物取り扱いの優先
  • 空港ラウンジのアクセス
  • 優先搭乗
  • 手荷物許容量の追加
  • ゴールドトラック
  • 優先空席待ち予約
  • 空港での空席待ちの優先

スターアライアンスゴールドステータス特典

家族カードもSFC会員扱いに

SFC会員の特典は基本的に本人のみが受けられるサービスなのですが、スーパーフライヤーズカードの家族カードを発行するだけでその家族カード会員も本会員と同じSFC会員の扱いになります。


さらに特典の目玉でもある搭乗前のラウンジにはSFC会員とその同行者1名までが入室することができるのですが、例えば4人家族で1人だけがSFC会員だと2人までしか入室できないところ家族カードを1枚発行するとSFC会員2人とその同行者枠でさらに2人分ラウンジに入室でき家族全員が特典を享受できるようになります。
家族カードを発行するだけでSFC会員が増やせるということで1回の修行の価値が上がります。

SFC取得条件①

これだけのサービスを生涯受けられるということで早速SFCを申し込みたいところなのですが、もちろん誰でも申し込めるわけではありません。主に2通りの取得条件があります。

ANA プレミアムメンバーサービス

ANAマイレージクラブには「ブロンズ」「プラチナ」「ダイヤモンド」がありSFCを申し込むには「プラチナ」か「ダイヤモンド」のステイタスが必要になります。プラチナステイタスのためには1年間で50,000プレミアムポイントを貯める必要があります。

プレミアムポイント(PP)はANAグループ運航便またはANAが加盟しているスターアライアンスの加盟航空会社の便を利用することで貯まります。50,000PPの内半分の25,000PPはANAグループ運航便で獲得しなければなりません。

50,000PPを達成するためには路線やクラスにもよりますが、国内線だと10~20往復程度必要になります。

SFC取得条件②

ANA プレミアムメンバーサービス

ANAのライフソリューションサービスを7サービス以上利用しANAカード、ANAPayを400万円以上決済すると30,000PPでプラチナステイタスを獲得できます。

ライフソリューションサービスというのはANAが提供している「ANA Mall」や「ANAの保険」「ANA トラベラーズ」などのサービスで全14サービスが対象です。

生活費などで年間400万円ほど決済される方はこちらの条件の方が飛行機で修行する回数は少なくて済むのでオススメです。

プレミアムポイント

SFCを取得するためにはプレミアムポイント(PP)を貯める必要があることがわかりました。
PPは一般的に知られているマイルとは違いANA独自のポイントでステイタスを決めるのに使われます。

貯める方法

プレミアムポイント(PP)はANAグループ運航便またはANAが加盟しているスターアライアンスの加盟航空会社の便を利用することで貯まります。50,000PPの内半分の25,000PPはANAグループ運航便で獲得しなければなりません。

またマイルなどで交換した特典航空券ではポイントは獲得できません。有償の航空券で搭乗した場合のみPPが加算されます。

有効期限

ANAのステイタスは毎年1月1日から12月31日の間に貯めたプレミアムポイントで翌年度のステイタスに反映されます。プレミアムポイントは毎年1月1日にリセットされます。
12月31日までに50,000PP貯められないと翌年プラチナステイタスは獲得できず、SFCにも申し込めません。翌年もプレミアムポイントが0からのスタートになるので、しっかり年内に50,000PPを獲得できるように計画を立てて臨まないと1年間の修行が水の泡になってしまいます。

計算方法

PPは以下の計算式で求められます。

ANA 

区間基本マイレージ

区間基本マイレージは路線ごとに予め決められた数値です。単純にフライト距離に応じた値になっています。

国内線マイレージチャート
国際線マイレージチャート

予約クラス・運賃種別ごとの積算率

予約クラスや運賃種別によって積算率が変わります。同じ区間、座席クラスであっても積算率が異なってくる場合があります。

運賃種別積算率
プレミアム運賃、プレミアムビジネスきっぷ150%
ANA VALUE PREMIUM 3、ANA SUPER VALUE PREMIUM 28、プレミアム株主優待割引運賃125%
ANA FLEX、ビジネスきっぷ、各種アイきっぷ100%
ANA VALUE 1,3,7、ANA VALUE TRANSIT、ANA VALUE TRANSIT 1,3,7,28、ANA SUPER VALUE TRANSIT 21,28,45,55,75、ANA SUPER VALUE 21,28,45,55,75、株主優待割引運賃75%
個人包括旅行運賃、包括旅行割引運賃、スマートU25、スマートシニア空割、ANA SUPER VALUE SALE50%
国内線
座席クラス予約クラス積算率
ファーストクラスF,A150%
ビジネスクラスJ150%
C,D,Z125%
P70%
プレミアムエコノミークラスG,E100%
N70%
エコノミークラスY,B,M100%
U,H,Q70%
V,W,S,T50%
L,K30%
国際線 ANAグループ運航便

国内線 運賃種別ごとの積算率
国際線 予約クラスごとの積算率
スターアライアンス加盟航空会社 積算率

路線倍率

国内線は一律2倍、ANAグループ運航便の国際線のアジア・オセアニア路線は1.5倍、ANAグループその他の路線やスターアライアンス加盟航空会社の便は1倍です。

搭乗ポイント

一部の予約クラス、運賃種別では1搭乗ごとに搭乗ポイントが加算されます。

運賃種別搭乗ポイント
プレミアム運賃、ANA VALUE PREMIUM 3、ANA SUPER VALUE PREMIUM 28、プレミアム株主優待割引運賃、ビジネスきっぷ、ANA VALUE 1,3,7、株主優待割引運賃など400
ANA VALUE TRANSIT、
ANA VALUE TRANSIT 1,3,7,28、
ANA SUPER VALUE TRANSIT 21,28,45,55,75
200
ANAグループ運航便 国内線
座席クラス予約クラス搭乗ポイント
ファーストクラスF,A400
ビジネスクラスJ,C,D,Z,P400
プレミアムエコノミークラスG,E,N400
エコノミークラスY,B,M400
ANAグループ運航便 国際線
予約クラス搭乗ポイント
積算率100%以上の全予約クラス400
スターアライアンス加盟航空会社運航便

PP自動計算ツール

プレミアムポイントを計算するのは慣れていないと少々複雑だと思います。
ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーションは条件を入力するだけで自動で計算してくれるので便利です。

例えば羽田-石垣間をスーパーバリュー28(積算率75%)で予約したとするとこのように入力

すると獲得できるフライトマイルとプレミアムポイントが自動で計算されます。この場合は1836PP獲得できますね。SFC修行ではマイルの値は直接関係ありません。貯まるに越したことはないですが…。

修行の流れ

修行にかかる期間

SFC入会条件のプラチナステイタスに達するには50000PPが必要になります。PPは基本的には飛行距離に応じて計算されますので運賃の割には飛行距離が稼げる、すなわちプレミアムポイントが稼げる路線を沢山乗っていくことになります。

昨今の燃油サーチャージの高騰もありANAの国際線は運賃がかなり高くなっており修行には不向きな路線が多いです。国内線は路線倍率が一律2倍ということもあり国内線の修行の方がコスパよく達成できます。修行僧の間で定番なのは羽田や中部、大阪から那覇や宮古、石垣の沖縄路線です。

ここでは例として羽田-那覇路線をひたすら往復したとして計算してみます。

普通席利用、運賃7(セール運賃ではないANA SUPER VALUE 21-75などの運賃)で予約すると羽田-沖縄間で片道1476PP、往復で2952PP獲得できます。プラチナステイタスには50000PP必要ですので17往復することになります。

プレミアムクラス利用、運賃2で予約すると羽田-沖縄間で片道2860PP、往復で5720PP獲得できます。50000PP獲得するには9往復必要です。

1日1往復だとすると普通席利用で17日、プレミアムクラスだとたった9日でプラチナステイタス獲得となります。羽田-沖縄間は便数が多く体力が許せば1日2往復も可能でその半分で達成することもできます。年間で5~20日前後だと思うと現実的に感じてくるのではないでしょうか。

修行にかかる費用

ズバリ予算は約50万円です。

一般的に1PPを獲得するためにかかる費用、PP単価と呼ばれるのですが、それが10円を下回ればかなり優秀だと言われています。トータルのPP単価が10だとすると50000PPを獲得するのには50万円必要です。

ただし単に50万円分航空券を買って搭乗すれば50000PPを獲得できるという意味ではありません。
例えば同じ14000円で羽田-伊丹線と羽田-那覇線の普通席が販売されているとします。どちらも同じ種別7の積算率75%の運賃です。羽田-伊丹線は420PPしか獲得できませんが、羽田-那覇線では1476PPも獲得できます。

羽田-伊丹線は14000円の費用で420PP獲得なので、PP単価は33.3となってしまいます。50000PP獲得するためには166万円必要になる計算です。

一方で羽田-那覇線は14000円で1476PP獲得で、PP単価は9.48となります。50000PP獲得するためには47万円という計算になります。

基本的には長距離の沖縄線を飛んでいれば間違いありません。運賃種別とANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーションを駆使してPP単価をいかに安くするかというの修行の醍醐味です。
修行僧は運賃とにらめっこする日々です。

ANAカード発行

修行の最終目的はスーパーフライヤーズカードを発行することです。プラチナステイタスに到達しその翌年度にステイタスが消失する前にカードを手に入れなくてはなりません。しかしそこでANAカードを所持していないとプラチナステイタス獲得してからカードの新規発行という扱いになります。もしカード会社の審査に落ちてしまった場合、プラチナステイタスを維持できる1年間でカードが発行できないというリスクがあります。申し込み自体は1年間で何度も可能ですが、短期間の繰り返しの申し込みはかえって審査落ちのリスクが高まるとも言われています。

初めからANAカードを所持していた場合は、プラチナステイタスになりSFCを申し込む際に新規発行ではなくカードの切り替え扱いになり、審査が発生しません。ですので審査落ちでSFCを取得できないというリスクが回避できます。

そのためSFC修行にANAカードは必須ではありませんが、修行を無駄にしないためにも修行をする前にSFCに切り替え可能なANAカードを発行することを強くオススメします。

また修行するにあたり航空券で50万円前後の出費が発生します。他のクレジットカードで決済するよりも航空券購入時の還元率がいいANAカードで決済した方がお得です。さらにANAカード利用だと搭乗マイルが上乗せされたり修行中のクレジットカードとして相性抜群なので修行を開始する第一歩としてANAカードを発行してみてはいかがでしょうか。

入会後一定額利用で入会ボーナスマイルが獲得できるキャンペーンも頻繫に行われています。そちらも修行に相性がいいので最新の情報を確認してみてください。

修行におすすめANAカード

スーパーフライヤーズカードは一般カードはVISA・JCB・マスター、ゴールドカードはVISA・JCB・マスター・AMEX・ダイナース、プレミアムカードはVISA・JCB・AMEX・ダイナースのラインナップです。年会費や還元率などはカードによって異なるのでANAのサイトで確認してみてください。

ANAカード

ANA公式サイトより

その中でも一番のおすすめはANAアメックスゴールドカードです。私もこのカードを発行して修行に臨みました。ANA航空券購入で100円当たり3マイル還元される点が航空券を買いまくる修行とドンピシャで決めました。

デメリットは他のブランドのゴールドカードと比較して年会費が倍以上高いという点です。

ANA公式サイトより

次点でANA VISAワイドゴールドカードです。

年会費でアメックスゴールドには手を出しにくい方には無難で使いやすいと思います。

まとめ

今回はSFC修行を初めて聞いたという方でも分かるように大まかに修行の目的と流れを解説しました。

旅好きや飛行機好きという方は沢山いますが、マイルとかステイタス修行というのはなんとなく聞いたことがあるくらいだと思います。

もう一歩踏み込んだ修行僧の世界へようこそ。旅好きの方なら修行も苦ではないかもしれませんね。

その先にはもっと素敵な旅が待っていると思います。

まとめ
  • SFC修行の目的はANAスーパーフライヤーズカードに入会し半永久的にANAやスターアライアンス提携航空会社の上級会員のステイタスを手に入れること
  • スーパーフライヤーズカードに入会するにはANAのプラチナステイタスになる必要がある
  • プラチナステイタスになるにはプレミアムポイント50000PPあるいはANAのライフソリューションサービス7サービス以上利用、ANAカードを400万円決済し30000PPが必要
  • プレミアムポイントを貯めるためにANAグループ便に乗りまくるのが主な修行
  • PPの有効期限は12月末まで⇒修行期間は最大1年
  • 50000PP貯めるにはPP単価10円だとすると約50万円費用がかかる
  • 航空券の運賃に対して得られるPP=PP単価をいかに安くしていくかが費用を抑えるコツ
  • ANAカードを先に発行しておくと修行にも使えて、審査落ちの心配がなく安心
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